戸渡やまゆりについて

70年ほど前、福島県 いわき市立小川小学校 戸渡分校の児童は、修学旅行で訪れた皇居に花がなかったことから、地元小川町戸渡に咲く「やまゆり」の球根を昭和34年当時2,000個ほど天皇に届けられました。「やまゆり」の球根は皇居内に天皇がお手植えされ、今でも皇居に彩りを与えています。その後皇室から記念として5本のメタセコイヤが贈られ戸渡分校の校庭に植えられました。このうち3本が、大きく成長した今でも、戸渡分校跡を見守り続けています。
しかし、現在の戸渡地区は原発事故後、住民は避難し、「やまゆり」は球根をイノシシに食べられて激減しています。今こそ皇居に咲く「やまゆり」を里帰りすべく増やしていきたいとの思いで活動しています。

皇室と戸渡分校
戸渡分校とは 従来の家庭教場を 昭和六年四月十日小川尋常高等小学校戸渡分教場として開校爾来六十四年戸渡文化を築きつつ有為な人材を育成した 昭和三十三年四月古山一郎夫妻分校着任文集やどりぎが縁で私と面識を深め 児童の学用品 図書類を寄贈 お礼の山ゆり球根約二千個を昭和三十四年十一月三日知人元侍従次長木下道雄氏のご進言により 皇居吹上御苑に献納し 皇居と戸渡分校が結ばれた 吹上御苑に見事に咲いた山ゆりに 強く心をひかれた皇太子殿下美智子妃殿下は 昭和三十六年六月一日小名浜港の放魚祭に御臨席の際 皇后陛下より山ゆりのお礼として御下賜の新見南吉童話全集三巻を悪路のため分校訪問を変更され 平駅頭にて代表児童に賜われた 以来分校の宝となり 読書熱高揚昭和三十六年十一月二日伊藤伊左次校長に引率された児童七名が約二百個の山ゆりと戸渡の灌木類を木下道雄氏 元侍従落合信司氏の計らいで 東宮御所に 献納する光栄に輝き その記念としてメタセコイヤの苗木五鉢を戴き 戸渡の庭に植樹二十八年の才月を経巨大な偉容を誇っている
皇太子明仁親王殿下の第百二十五代天皇御即位を記念し 慈に記念碑を建立する次第である
荒川 清 撰文
平成元年五月三日
松戸市古ヶ崎(小川町出身)
西川五郎